2026年8月3日
車椅子でも、着物でお祝いの席へ|結婚式の参列・長寿祝い・施設の行事
「車椅子だから、お祝いの席で着物は難しい」。 お孫さんの結婚式、お母様の還暦、施設での記念の行事。 晴れの場を前に、着物をそっと諦めかけているご本人様やご家族様へ。
座ったままでも、寝たままでも、着物姿は叶います。 車椅子であることは、お祝いの席で着物を着られない理由にはなりません。
車椅子でも、着物でお祝いの席に出られる
着物は立って着るもの、と思われがちです。 けれど、車椅子をご利用の方でも、座ったまま、あるいは寝たままの楽な姿勢で、美しい着物姿に整えることができます。
大切なのは、車椅子での着付けに慣れた「車椅子着付け師」に相談すること。 歩ける方と同じ手順をそのままなぞるのではなく、座った姿勢のまま短時間で仕上がるよう、あらかじめ段取りを組んでいきます。
場面ごとの、着物というお祝い
結婚式・ご列席 お孫さんやお子様の晴れの日に、留袖や訪問着で。会場までの移動やお手洗い、着席のしやすさまで見越して、締め付けを抑えた作り帯で整えます。長時間になりがちな一日でも、お体の負担が少ない形にできます。
長寿のお祝い(還暦・古希・喜寿・傘寿) 節目のお祝いに、色無地や訪問着で記念のお写真を。ご自宅や写真館、ご家族が集まる会食の場へ出張してお仕度します。「もう一度、あの方の着物姿を」というご家族の願いを、無理なく叶えられます。
施設・デイサービスの行事、記念写真 敬老の集いや季節の行事、施設での記念撮影に。スタッフの方と連携しながら、居室やフロアでそのままお仕度することもできます。着物を一枚まとうだけで、いつもの一日が特別な一日に変わります。
車椅子での着付けで配慮すること
車椅子での着付けは、ご本人様のお体への負担を最小限にすることが第一です。 現場では、たとえば次のような配慮をします。
- お体の状態に合わせ、短い時間で確実に仕上がる段取りをあらかじめ決めておく
- 座位を保てる時間を確認し、ギリギリまで車椅子やベッドで楽な姿勢のままお待ちいただく
- 帯はあらかじめ作り帯にして前から装着し、背中側の負担をなくす
- 腰紐や伊達締めは、締め付けのきつい従来式ではなく、しっかり留まるマジックテープ式で短時間・軽い装着感に
寝たきりやご高齢で立つのが難しい場合も、あきらめる必要はありません。詳しくは「寝たきり・ご高齢でも、着物をあきらめないで!」もあわせてご覧ください。
お祝いの席こそ、早めのご相談を
結婚式や長寿祝い、施設の行事は、日取りが先に決まっているものがほとんどです。 だからこそ、早めのご相談が安心につながります。
車椅子での着付けができる着付け師は、全国にまだわずかしかいません。 とくに次の時期は、一般の着付けでも予約が集中します。
- 予約が取りやすい時期:2月、5月、6月
- 予約が難しい時期:1月、3月、4月、10月、11月
日取りが決まったら、できるだけ早めにご連絡いただくと、ご本人様の体調やご希望に合わせて、無理のない段取りを組むことができます。
どこに相談すればいい?
車椅子での着付けは、認証車椅子着付け師養成講座のプロコースを修めた、車椅子着付け師に相談するのが安心です。
好循環きものの会では、車椅子をご利用の方の着付けができる着付け師を育てる「車椅子着付け師養成講座」を開講しています。座ったままの着付け、移乗の配慮、お体への負担を抑える段取りまで学んだ着付け師が、各地で活動しています。(着付け師という仕事そのものに関心のある方は「車椅子着付け師になるには」もどうぞ。)
実際の出張での着付けのご依頼は、「出張着付けのキツケデリ」にて承っています。着付けを担うのは、同じ志で学んだ着付け師です。
諦めなくていいお祝いと、3センチ特別
お祝いの席は、その方の人生の節目そのもの。 車椅子だからと、着物を諦めてしまうのは、あまりにもったいない。
座ったままでも、着物は着られる。 そう知っているだけで、選べる未来が変わります。
車椅子のままでも、着物で、大切な日を祝う。 それを当たり前に支えられる着付け師がいるということ。 それ自体が、ご本人様とご家族様にとっての、3センチよりも大きな特別になります。