泣いても、大丈夫。|七五三の着付け、三歳・五歳・七歳のこと

2026年8月11日

泣いても、大丈夫。|七五三の着付け、三歳・五歳・七歳のこと

#3センチ特別#七五三#子どもの着物#着付け

秋の空が、高くなる頃。 神社の境内に、小さな晴れ着が並ぶ。

七五三。 三歳、五歳、七歳。 その年ごとに、装いが変わる。

年で、着るものが違う

三歳は、お被布(おひふ)。 着物の上から、袖のない上着を重ねる。 帯を締めない、やわらかな装い。

五歳は、袴。 羽織と袴で、きりりと。

羽織と袴の晴れ着で、境内に立つ

七歳は、帯を締める。 子ども用の振袖に、手で結ぶ帯か、作り帯。 はじめての、本格的な着物。

作り帯は、胴に巻く部分と、背中の羽の部分が分かれている。 簡単に着けられるかわりに、いろいろな帯結びは楽しめない。

同じ「七五三」でも、着せるものはまるで違う。

いちばん簡単で、いちばん大変なのが、三歳

着付けそのものの時間がいちばん早く終わるのは、三歳のお被布。 帯を結ばないぶん、手数が少ない。

けれど。

現場でいちばん時間が読めないのも、三歳だという。

三歳は、「イヤイヤ期」と呼ばれる年頃。 着付けを嫌がって、なかなか進まないことがある。 ずっと泣いていて、服を脱がせるだけで一苦労、ということも。

七五三の着付けは、技術の難しさより、お子さんのご機嫌に左右される。 帯が複雑だから大変なのではない。 着てくれるかどうか、なのだ。

だから、着せる側も工夫をする。

締め付けを、できる限りなくす。 お被布を脱ぎたがったときのことまで考えて、 着物の紐があらわにならないように仕上げておく。

三歳は、できなくて当たり前の時期。 そういうものとして、着せている。

時間は、「うまくいけば」の目安

お子さん一人あたり、二十分から四十分ほど。 それが目安。

ただしこれは、機嫌よく立っていてくれたら、の話。 泣いてしまえば、その分だけ延びる。

だから、予定は詰めない。 写真、お参り、食事。 一日の段取りに、ゆとりを持たせておく。 急かさずにすむことが、いちばんの準備になる。

当日の朝に、してあげられること

服は、脱ぎ着しやすいものを。

三歳と五歳は、レンタルの衣装に肌着がついていない。 三歳なら、タンクトップやキャミソール。

五歳は、衿を合わせたときに、丸首のTシャツが見えてしまうことがある。 衿ぐりの大きく空いたシャツか、Vネックを。

それから、朝ごはん。

緊張して、食が進まないこともある。 けれど、食べずに出かけると体調を崩すことがある。 その子が食べやすいものを、用意しておく。

泣いても、大丈夫

はじめての着物で、慣れない帯。 知らない人に囲まれて、じっとしていなさいと言われる。 泣くのは、当たり前のこと。

だから、泣かせないようにと気を張らなくていい。 「今日は泣くかもしれない」。 そう思っておくだけで、当日がずいぶん楽になる。

小さな晴れ着の、3センチ

袖を通した瞬間、少しだけ背筋が伸びる。 鏡の前で、はにかむ。

振袖に帯を締めた晴れ着で、千歳飴を手に

その顔を見られる日は、そう何度もない。 三歳、五歳、七歳。 数えるほどしかない日。

泣いても、笑っても、写真に残る。 昨日より3センチくらい特別な、家族の一日。

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