2026年5月15日
仕事の意味は、自分でつくる。
仕事の意味は、自分でつくる。 誰かが与えてくれるものではない。
何となく、続けていないか
お金のため。 好きだから。 そのまま、何年も、何十年も。
若い頃から、自分の仕事と真剣に向き合ってきた人は、 そんなに多くないのかもしれない。
逃せない挑戦の機会
着付け師として歩んでいくなかで、ある日、ふと「これだけは外せない」と思える機会に出会うことがある。
これまで積み重ねてきたものが、はじめて、本物の場で問われる。 ずっと憧れていた方の眼に、自分の仕事を映してもらえる。
そういう機会ほど、たいてい、先の約束と重なってやってくる。
常識的に、先の約束を優先する。それも、立派な判断。 丁寧にお断りして、また次の機会を待つ。それも、一つの選択。
ただ、その「次」は、もしかしたら、二度と巡ってこないかもしれない。
たったひとつの選択が、その後の数年、十数年の歩みを、まったく違う景色に変えていく。
その巡り合わせを、どうか見逃さないでほしい。
胸のなかの、小さな声を、どうか聞き逃さないでほしい。
巨匠が見る、技術
私たちにとっても、ある日、そんな機会が訪れた。
紫藤尚世(しとう ひさよ)先生という、着物業界の巨匠デザイナーがいる。 評価が、極めて厳しいことで知られる方。
そのショーの着付けを担当できる技術レベルか—— そんな試験の機会をいただいた。
好循環きものの会の選抜9名で挑み、全員、合格した。

自分の仕事の、本当の価値
合格そのものが、ゴールではない。 本当に大切なことは、その先にある。
紫藤先生という、本物の眼差しを通して、自分の仕事を見直したとき。 日々向き合っている着付けが、これほどまでに価値あるものだったのか—— 内側から、はっきりとした気づきがやってくる。
自分の仕事が、どれだけ価値のあるものか。 それは、誰に教えてもらうものでもなく。 ただただ、日々向き合い、自分のなかで気づき、見出していくしかない。
そして、究めていくほどに、自分自身が、磨き上げられていく。
呼ばれる、選ばれる、誇れる
お金が貰える仕事。 好きだから続ける仕事。
そこで止まれば、ずっと「何かの付帯サービス」のまま。
意味と意義を、自分で見出した時—— 仕事は、呼ばれる、選ばれる、誇れるものに変わる。
着付け師の地位を引き上げたい
着付け師の仕事は、これまで何かの付帯サービスとして扱われてきた現実がある。
髪を美しく整える、確かな技術。
美しい着物を借りるためのレンタル料。
特別な瞬間を最高の一枚として残す、シャッターを押す確かな技術。
それぞれの仕事には、すでに、価値が対価として認められている。
そのなかで、着付けだけは、しばしば、「ついで」として扱われてきた。
お代をいただかない、付帯のサービスとして。
好循環きものの会の着付け料は、決して安くはない。 それでも、ご依頼が絶えないのは、なぜか。
その金額を支払うだけの、明確な価値が、そこにあるから。
仕上がりを見て、初めて違いに気づかれるお客様。 ご家族みんなが驚かれるお客様。 こちらからお願いしたわけでもないのに、決められた金額以上のお代を、お渡しくださるお客様。
その度に、私たちは、自分たちの仕事の価値を、お客様から教えていただく。
「おたくに頼んで、本当によかった」—— そう感じていただけたとき、着付け師の仕事は、ようやく、それ自体に対価が支払われるものになる。
着付け師にも、相応の価値と地位が認められる世界。 それを、自分たちの手で、つくっていきたい。
まず、自分自身で、自分の仕事の価値を見出す。 そして、その価値を、お客様に、社会に、丁寧に、根気強く、伝えていく。 そこからしか、未来の景色は、変わらない。
好循環きものの会が目指すのは、 誇りを持った、日本文化の担い手としての着付け師。 そして、その仕事に、相応しい価値をお客様に見出していただける、これからの世界。
仕事の意味は、自分でつくる
先約か、心の声か。 周りの常識か、自分の本心か。 今日も、誰もが選んでいる。
その小さな選択の積み重ねが、 やがて、自分の道を作っていく。
仕事の意味は、自分でつくる。 誰かが与えてくれるものではない。 そして、その価値は、お客様が見出してくださる。